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鐘石(下小波田)



 戦国時代の合戦の時、合図に打ち鳴らしとった石の鐘が中出の山にあって「鐘石」と呼ばれてるんや。二つあって、うち一つは台形。上っつらの縦が約一メートル、横は五十センチ、高さは六十センチぐらいで底の部分が広がっていてな。昔は釣り鐘の形をしとったそうじゃが、この鐘の方が大きく鳴り響くんで、この石ばかりを鳴らしておるうちに、とがっておった上部がすり減って平らになったそうじゃ。ためしに鐘石を鉄棒でたたいたら、なるほど良い響きがしおった。
話・松島栄太郎さん(明治三十一年生まれ)

 鐘石の近くに空堀りと土塁が残っています。江戸時代の「三国地誌」は島藤氏の屋敷跡と記録。北側の山に桜町中将(織田信雄)城跡。別の丘の頂上に滝川城跡、南側の山に「川上出羽」の屋敷があったことを郷土研究部が確認しました。鐘石は当時、城との連絡用に使っていたようです。

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