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ちまきの話(上小波田)



 昔、上小波田のあたりから、源氏と平氏の戦いに出陣していった家がありましてなあ。戦いの前、ならわしで毎年の子どもの日の節句には、ちまきを作ってお祝いをしてましてん。けど、この戦いがすんでから、負けた家では、ちまきを作ったらあかんようになりました。もし、負けた家がちまきをつくれば、血のように染まってしまうといわれましたんやわ。
 ところがな、負けた家が節句につくって家中でお祝いをしてましてんやわ。ほしたらはじめは雪のように真っ白やったのに、見る見るうちに血のように赤う赤う染まってしもうたんやて。そんなことがあってから、上小波田の人々は節句の時、戦いに勝った家でちまきをつくり負けた家ではつくらん風習が広まりましてんて。
 今でも負けた家は、勝った家から分けてもらってますんじゃ。
話・久保のおばあさん

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