back

七つ池(星川)



 昔々、星川は、川が少なくて田んぼに引く水がとても不足してたんですわ。村人たちは二十四か所に田んぼを造らなあかんので、寄り合いを開いて相談。よい案は浮かばへんかったんやけど、一人がため池を造ろうと言い出し、これには村人たちも大賛成。けど、一つや二つとちがうので、すぐ造れるわけがあらへん。
 で、畑仕事の合い間に仕事をすることにしたんじゃ。多くの田、畑を掘って少しずつ池を造り始めたんやけどこの事業は、裕福でなかった村人にとって、たやすいことではのうてな。若い衆はもちろんのこと、年寄りや子供までも一緒になって、一日も休むことなく池造りに励み、とうとう七つ池が完成したんや。
 七つのうち四つは「お池」「さら池」「うやま池」「丸池」と呼ばれ、二十四の田んぼに豊富な水を与えるようになったんや。そして七つ池は一年中水を涸らすことがなく、田に水を引くことができるようになったんですわ。
話・宮下 修さん(明治三十六年生まれ)

top

back