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北出の氏神さま(朝日町)



 昔、朝日町は「北出」といわれてましたんや。たびたび火事にあうところでな。村の人たちは、焼け出されると他の家へ避難していた。しかしな、いつまでも他人の家にお世話になってるわけにはいかへん。そこで新築することに決めて、さっそく作業にとりかかるんや。ところが、ほとんどが完成して住めるようになった頃、また別のところでボヤが出て、火事や。建てているかと思えばまた他の家が焼けてしもうたそうやわ。こうしているうちに、村人たちは不安になって話し合いをしたすえ、みんながもっと注意深くしなければいけないということになり、火の扱いをなるべく避けとった。けど、寒うなってくると、どうしても火を通したものでないと暖まらないし、体にも良くない。で、もう一度話し合いが行われ、


「このままでは、北出村は焼け野原になってしまうぞ、どうにかせなあかん。」
「そうじゃのう。しかしな、この村は、何か神のたたりでもあるんじゃろうか。」
「う〜ん。それならいっそこの村の守り神を作ろうじゃないか。」
村では、伊勢の若宮八幡宮をお迎えし、氏神様として祭ったそうじゃ。
 村人たちは、毎年一度か二度お祭りをしての。それからというもの、火事が少のうなった。朝日町の名張川の近くに残っとるんじゃろ。あれが、ほら!氏神様の若宮八幡宮じゃ。
話 福西庄太郎さん(大正八年生まれ)


●若宮八幡宮2008/2/29現在。携帯で撮影。


@若宮八幡宮/全景1


A若宮八幡宮/全景2


B若宮八幡宮/正面1


C若宮八幡宮/正面2


D若宮八幡宮/本堂


E鳥居の柱の裏(正面に向って左)


F鳥居の柱の裏(正面に向って右)

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