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やくよけ石(長瀬)



 むかしむかしのある日のことや。長瀬の不動寺の境内に、どこからともなくひとかかえもある程の大きな石が突然落ちてきた。「ビュー、ドッスン」。そらもう大きな音やったそうな。不動寺ゆうたら、やく年にあたってる人がお払いをするためにお参りする寺や。二月のはじめての午の日、数え年で、男は二十五、四十二、六十一才。女は十九、三十三、三十七才がやく年ゆうてな、この年令のときは災難にあいやすいといわれているんや。石が落ちてきた時も、そらたいへんなにぎわいやったんやて。
 ところがや。石はだれにも当たらへんかった。たくさんの人が境内にいて、ふつうならだれかに当りそうなものなのに…。まことにふしぎな話でな。びっくりしながらも、ほっと胸をなでおろしたそうや。
「きっと初午さまのお力にちがいない」
「これはごりやくのある石や」
 落ちてきた石を見ながら「やくよけ石」と名づけての。たいせつに祭るようになったんやわ。
 それ以来、村人たちの間に「やくよけ石」に手をふれて拝めば、一年間は災難にあわんですむ、という話が伝わりましてな。いまでもこの言い伝えが残っていて多くの人がお参りするそうですわ。
 やくよけ石の近くには、樹齢八百年以上ともいわれているカヤの大木がありまして、石とともによう知られていますわ。
話;石島亮詮さん(明治三十八年生まれ)


●長瀬の不動寺と国津神社2008/3/21現在。携帯で撮影。


@不動寺/正面


A不動寺/入り口右側


B不動寺/入り口左側


C不動寺/本堂


D不動寺/


E国津神社/一の鳥居


F国津神社/一の鳥居(近景)


G国津神社/全景


H国津神社/御祭神


Iこえんど坂の地図


J忠誠碑


K国津神社/二の鳥居


L国津神社/拝殿

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