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大師山のこやす地蔵(柏原)



 柏原にある「大師山」のふもとに昔から「久保」という家がありましてな。七、八代前の人が同じ夢を何度も見たそうな。白馬に乗ったお大師さまが山から降りて来る夢でしてな。お大師さまが、
「大師山の塚を掘るんじゃ。大切なものが埋まっておる。わかったか。掘るのじゃぞ。」
 一晩だけなら気にもとめなかったのに、毎晩や。不思議な夢のことが気になってしもうて、ある朝、村人と一緒に塚を掘ってみることにしたそうですわ。するとどうじゃ、そこからお地蔵さんが出てきたんやわ。何のお地蔵さんかわからへんでんけど「子安地蔵」と名付けられてな。その塚にまつられたそうや。
 今でも、その地蔵のほこらを二十年に一回建て替えて、毎月二十四日を命日としてな、村の人がまつっておりますのや。
話・久保義一さん(明治四十一年生まれ)

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